なぜ燕市には、こんなにもテボがあるのか⁉ ~ラーメン文化とものづくり文化が出会った町~

こんにちは! ぐるっとキッチンのMr.Kです。 

突然ですが皆さん、こちらの写真をご覧ください↓↓↓ 


これ全部テボです。 

ちなみにテボとは…、 

ラーメン屋さんやうどん屋さんで麺を茹で、そのまま湯切りができる小さいカゴのことです。 

実はこの名前をご存じない方が案外多い、と聞きます(たしかに私もこの仕事をしていなければおそらく知らないでしょう。) 

ラーメン屋さんへ実際にラーメンを食べに行ったとき、カウンター越しに職人さんが、 

「シャッ!シャッ!」 

とリズミカルに湯切りしている、あれです。 

でも「テボなんてどれも大差ないでしょう⁉」と思われるそこのあなた、改めて画像を見てみると、とんでもない種類でしょ⁉ 網目の細かさが違う、深さが違う、大きさが違う、持ち手が違う。 

木柄もあればステンレスもあればシリコンなんてのもあります。 

さらには細麺向け、太麺向けなど用途も様々。 

もはや、「テボ博物館」です。 


では、何故ここまでたくさんの種類があるのでしょうか? 

その理由について考えてみましょう☝(あくまでもMr.Kの見解ですのであしからず)

まずは、ここ燕市が日本有数の厨房用品の産地だから。

鍋、バット、ボウル、ざる、包丁・・・、 皆さんが飲食店やご家庭で何気なく使っている道具の多くが、実はこの地域で作られています。 

そして実はテボもそのひとつ。 

テボは単なる網ではありません。 

ステンレス線を曲げ、形を作り、溶接し、仕上げる。 線材加工という技術の塊です。 

こうした加工を得意とするメーカーが燕地域には数多く存在しています。 

だからこそ、これだけ多彩なテボが生まれる土壌があることが考えられます。


しかし私は、もうひとつ理由があるような気がしています。 

それは、燕がラーメンの町だからです。 

新潟には「新潟5大ラーメン」と呼ばれる文化があります。 

そのひとつが、 燕三条背脂ラーメン。 

※ちなみに「ぐるっとキッチン」の記念すべき初投稿は燕三条背脂ラーメンのネタでした

↓↓↓

煮干しの効いたスープ、たっぷりの背脂、そして特徴的な極太麺。 

全国的にも知られるご当地ラーメンです。 

つまりこの地域には昔から、ラーメンを作る人がいて、ラーメンを食べる人がいて、ラーメンを愛する文化があります。 

すると当然、「もう少し深いテボが欲しい」「この麺なら網目はもっと細かい方がいい」「持ち手は木の方が熱くなりにくい」、そんな現場のいろんな声が出てきます。 

そしてその声に応えるメーカーさんが、ここにはある。 

この距離感こそが、 燕のものづくりを育んできたのかもしれません。


燕市は、鍋の町であり、スプーンの町であり、包丁の町でもあります。 

でも、ラーメン好きの燕市民からすると、「テボの町」でもあるのかもしれません。 

なぜなら、これだけの種類のテボを一度に見られる場所を、私は他に知りません。


そして更に、これだけの種類を常時揃えていることも、私たち江部松商事の強みです‼ 

お客様から、「この麺にはどれが合う?」「木柄とステンレス柄はどう違う?」「細麺なんだけどおすすめは?」 そんなご相談をいただくことがあります。 

その時に、実物を見ながら比較し、ご提案できるこの環境。 

これは意外と当たり前ではありません。 

テボは一見脇役のように見えます。 

でもラーメン屋さんにとっては、 毎日何百回も使う大切な相棒です。 

だからこそ、こだわって選ぶ価値があります。 


今回改めて感じました。 

鍋や包丁は主役になりやすい、展示会でも目立つ。 

でもテボは違います。 

いつも厨房の片隅にいて、毎日黙々と麺を茹で続けています(そしてシャッシャシャッシャ振られ続けています)。 

だから普段はあまり注目されません。 

しかしそのテボを見れば、どんな麺を提供しているのかどんなこだわりを持っているのか、お店の考え方まで見えてきそうです。 

そしてそのテボを作っているのが、ここ燕のメーカーさんたちです。 

鍋や包丁だけではなく、ラーメン文化を支える道具もまた、燕のものづくりの一部なのですね。

そんな職人さんの魂に想いを馳せていたら、無性にラーメンが食べたくなってきたMr.Kでした。 

ぐるっとキッチン

『ぐるっとキッチン』は、 「“調理道具のプロフェッショナル” 江部松商事株式会社」が運営する情報メディアです。 フードビジネスや自社に関する情報をはじめ、飲食店のキッチンや地域をぐるっと回って見つけたお役立ち情報などをゆる~く発信していきます。