ご無沙汰しております、ぐるっとキッチン編集部のMr.Kです。 夏本番といったところですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? ご多分に漏れずここ燕市も連日暑い日が続いております(先日お隣の三条市ではその日の温度が日本一!なんて日もありました)。
そんな燕市に、真夏の暑さに負けないくらい熱い注目を集めるメーカーさんがある、との情報が入ってきました! どうやらそのメーカーさん、最近新社長が就任したようでしかも女性社長とのこと!! 職人肌の男性たちが地場産業を支えてきたイメージのあるここ燕市において女性社長の誕生⁉
そしてタイトルにもある「スーパー700」、なんだかとっても速そうな名前ですが(笑)、まあいずれにしてもすでにいろいろ気になっているMr.Kなわけです。 細かいことが気になる、私の悪いクセです(相棒風)。
これまでの流れだと直接取材、の流れですが今回は…………、
もちろん取材決定です!!(やっぱり)
ということで早速いって参りました! それがこちらのメーカーさん
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株式会社サクライさんです(以下サクライさんとさせていただきます)。
サクライさんは1946年5月にここ燕市にて創業、来年でなんと80周年!(スゴい) カトラリー、テーブルウェア、キッチンウェアを製造する燕市を代表するメーカーさんなのです。
ホテル・レストラン向け最高級カトラリーSAKSブランドと業務用SAKURAIブランド、そして誰にでも使いやすいユニバーサルデザインまでその展開は多岐にわたります。
そしてこのサクライさん、当社江部松商事のオリジナルカトラリーシリーズのアイコンといっても過言ではない「リモージュ」を製造していただいております!(個人的にも一番好きなシリーズです)。
サクライさんは本社ショールームの他に第一工場(製造工場)、第二工場(自動研磨機)があるとのこと。 というわけで早速そちらへ案内していただきました。
本社から再び車に乗り移動すること約3分、まずは第一工場です(あっという間に着きました)。
工場の中はしっかり整理整頓されていてとってもキレイです。 そしてこの第一工場で行われる製造の工程はこちら。
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① 、②は共通の工程でその先はスプーンかフォークかで工程が分かれていくんですね!
注)この図はあくまでも略図でこれ以外にも適材適所品質に応じた工程があります。
ではまずはこちらから。
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これは地抜き(図の①です)。
切断した板材から元となる形状に1本ずつ打ち抜く工程です。
板材を裏返し、向きを変えて無駄なく抜き落とします。
このようにもう抜けなくなった端材もスクラップして再利用されるそうです(SDGs)。
お次はこちら
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これはロール(図の②です)。
口に入れる部分(皿)を圧延(薄く)する工程です。
ローラーで6回~10回程皿の部分を通して薄くしていくんですね。
ここで動画をご覧になった皆さん、お分かりいただけましたでしょうか?
一見ただローラーの中を通しているだけかのように見えるこの工程、実は途中でスプーンを裏返しているんですよ!!
手首の向きは変えず、通す直前にスプーンをくるっと持ち替えているんです(恐ろしい職人技)。
信じられないなら超スロー再生で確認してみてください。
ものの数秒でこんなに薄くなっちゃいました。
続くはこちら。
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これは半切り(図の③、⑥です)。
ロールで薄くなった生地をスプーンやフォークの形状に合わせて皿部分を抜き取る工程です。
きれいに抜き取れてますね👍
どんどんいきましょう、
次はこちら ⇩ ⇩ ⇩
これは刃抜き(図の⑦、⑧です)。
ここはフォーク工程のみで、4本刃のフォークは2回に分けて刃抜きします。
当たり前ですが3本刃より手間がかかる訳です!
そろそろ終盤戦ですよ、お次はこちら ⇩ ⇩ ⇩
ここ動画がなくてスイマセン((´;ω;`)ウッ…
写真もヘタクソで恥ずかしい限りですが、奥から半切り→真ん中は刃抜き→一番手前が刃押しです(図の⑩)。
様々な工程を経てようやく形になりました👏
とここまでが“製造”の工程なわけですが、形になっただけでまだ製品ではないですね。
磨かなきゃいけません!
ということでここから燕の技術の神髄ともいえる磨きの工程、そう“研磨”です。
小羽スリ→小羽目つぶしという工程です。
この段階ではまだ側面に切断痕が残っていて危険な状態です。
ここで粗さの異なるバフ(羽布)を使って何度も丁寧に研磨するわけです(ここも動画にするべきでした😢)
上が小羽スリ前で下が小羽スリ後。
ほんの数回でこの違いです!(この後も何度も磨かれていきます)
ちなみに安価な商品と高価な商品とでは研磨の回数が異なるんです。
高価な商品ほどこの研磨作業に全集中、商品の価格の差はこういうところにも起因するんですね☝
フォークは先端と先端裏、刃と刃の間も研磨します。
ここで第一工場での作業は終了、舞台はいよいよクライマックス! 最終の仕上げ研磨へと移っていきますよ~。
では、「自動研磨機」による仕上げ研磨を行う第二工場へ移動しましょう。
第二工場です、中に入ると…
なにやら壁に賞状のようなものが。
こちらは職人下村さんの技能士としての資格を証明する証書です。
この資格、燕でも持っている方少ないんだそうです!(レジェンド)
自動研磨機の略図です。
この自動研磨機は約13~20本を挟んで、皿部、柄部を持ち替えて研磨するそうですが、 機械が持ち替えるってどーゆーこと⁉(さっぱりわかりません)
百聞は一見に如かず、ではご覧いただきましょう!
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おわかりいただけましたか?
持ち替えるところがイマイチよくわかりませんでしたね⤵(撮影ってムズカシイ)
雰囲気は伝わったかなと思います。
実際はかなりの大型機械でいくつものアームの複雑な動きは圧巻の一言!
是非生で見ていただきたいです。
そして特筆すべきはこの自動研磨機を先ほどの下村さんがたったおひとりで動かしているんですよ!!(神)
これが実際に研磨で使用するバフ(羽布)。
このバフも磨くカトラリーの種類に合わせて下村さんがすべておひとりで作っています。
そしてこのバフも…
こんなに小さくなるまで使用されます(ちっちゃいw)。
ちなみに燕市でこの自動研磨機を持っているのは4社、その内稼しているのはこのサクライさんを含めてもわずか2社!!
とっても貴重な機械なんですね。
おっと、ここでレジェンド下村さんの登場で~す!
お忙しいのにお手を止めてくださりありがとうございました!
職人さんっていうとチョッと怖い?イメージもありますが(超偏見)、そんなことは微塵も感じさせないとっても気さくで感じのいい方でした!!
(表情から人柄が滲み出ています)
ということで、駆け足ではありましたが製造から研磨までをご紹介いたしました。
カトラリー造るのって大変でしょ⁉
少しでも伝わっているといいんですが…。
とにかくこれが燕のモノづくりの技術なのです!
ところでタイトルにもあるスーパー700、いったいなんのことなのでしょうか? なにを隠そうSAKSブランド(SAKSとはサクライさんのブランドのことです)の中でも最高級のカトラリーシリーズなのです。
なんでもステンレスの最高級と称されるSUS316L(JIS規格)を初めてカトラリーとして採用したそう。
一般的に使用しているステンレスカトラリーとの違いはその耐摩擦性。
他社では真似のできない表面硬化処理で手触り、口あたりともにシルクのような感触でお料理の味を引き立てます。
そして鏡のような表面はいつまでもいつまでもその輝きを保ち続ける。 まぁ簡単に言うと、『キズがつきにくく、いつまでもピッカピカ』ということです。
ではホントにキズがつきにくいのか?
このあたりを検証していこうと思いますが、長くなってきたのでこの続きは次回で。
そしてついに新社長も登場しますよ! では第2部もお楽しみに(鋭意執筆中です)!
以上Mr.Kでした。
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