壮絶な修行の果てに…。越後に眠る即身仏の魅力とは


こんにちは。ぐるっとキッチン編集部ぐっさんです。



今回はローカルネタ。当社から車を走らせること25分。

燕市のお隣、長岡市は寺泊野積にやってまいりました。

海水浴場に霊山弥彦山、自然豊かなこの地に

日本最古の即身仏が眠っているのはご存じでしたでしょうか。



というかそもそも即身仏とは…?

【即身仏とは】

飢饉や病に苦しむ人々に代わり、厳しい修行の果てに自らの身体を捧げ、仏と成ります。

1,000日~5,000日かけて山にこもり、脂肪を落とすために木の実や山草を食す「木食修行」(もくじきしゅぎょう)を行い、死期が近づくと土の中に入り鐘や鈴を鳴らしながら念仏を唱える「土中入定」(どちゅうにゅうじょう)によって息絶えるまで修行を行います。音が無くなり3年3カ月たってから掘り起こされ、乾燥・手当てが施され「即身仏」として安置されます。

ミイラと混同されがちですが、ミイラは死亡後人工的に防腐処理をされますが、生きながらにして想像を絶する苦行を行っている点が大きく違います。

ちなみに全国にある24体あるうち4体が新潟県内に存在します。

1600年~1800年に最も多いのですが、1300年代の日本最古の即身仏がここ西生寺に安置されています。



それでは早速いってみましょう。




海岸沿いの402号線から山の方へ上り数分いくと着いたのは「西生寺」

こちらは真言宗智山派のお寺になります。


平日の昼間ということもあり静かで厳かな雰囲気が漂います。

見えてきたのは緑の屋根の建物。

こちらは宝物館となっており、だれでも無料で見学することができます。

さっそく中に入ってみると

これが例の即身仏…?

と思いきやこちらは木製のレプリカ。


身代わりの木像とよばれ、壊れやすい即身仏に代わって全国各地へ出開帳(いわゆる仏像の出張の事)していたそうな。

即身仏は少し上ったお堂に安置されています。

順路に沿って歩いていってみましょう。



道の途中にはボケ防止から子宝までご利益のありそうなお地蔵さんや仏像が並び、

それを見ながら山肌を上がっていきます。


登り切ったところに見えてくるのが弘智堂、即身仏の安置されている建物です。

今から約250年前に総欅で造られました。

屋根の彫刻は1枚の板から切りだされ、文化財に指定されています。


ここに安置されているのは「弘智法印」の即身仏。

法印とは法印大和尚の略で僧侶の最高の位です。

程なくして住職が中に案内してくれます。

お経と共に掛けてある布がめくられ、即身仏があらわになります。

内部の写真撮影は出来ませんので気になる方は是非公式HPにてご確認ください。


即身仏を前に焼香をさせてもらうと、なんだかスピリチュアルな世界に足を踏み込んだような気分になります。住職曰く、弘智法印がどんな願いも叶えてくれるとか。




日本の仏教はほとんど大乗仏教(他者の利益を教導する教え)という流派です。

人間関係が希薄化している現代、自らの命を賭し660年の時を経て利他の境地を教えてくれる即身仏。一見の価値ありです。



同じ敷地内には展望台があり、なにやら「新潟県景勝100選」の石碑が。

少し上っていくと…



見渡す限り続く広大な日本海。

本日は雲が多く、あいにくの天気でしたが晴れた日には佐渡ヶ島を望むことができます。

お立ち寄りの際は是非こちらもご覧ください。





~おまけ~

ちょっと小腹が空いたので近くのカフェでお食事を。

お寺から車で5分程度、海の見える素敵なカフェに到着。








Cafe Winds&Banana Winds

所在地 : 〒940-2501 新潟県長岡市寺泊野積107−177

営業時間:11:00~21:00(火曜定休)



入口には【カキに願いを】笑

ということで皆さんそれぞれの願いが吊り下げられていて圧巻です。

店内からは日本海を一望でき、夕暮れ時なんかは最高でしょうね~!

是非みなさんの目で確かめにきてみてください。



私は素敵な店内でコーヒーとケーキを頂き帰路に就くのでした。

皆さんの願いが叶いますように!


それでは、ぐっさんでした。

ぐるっとキッチン

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